こんにちは! 東光寺ブログ『新米和尚の仏教とお寺紹介、ときどき寺嫁』にご訪問いただきありがとうございます!

梅雨入りしている、とはいえ、この辺りはまだ雨の日も少なく、
東光寺(清水区横砂)境内にある袖師保育園からは、一足早く、プールを楽しむ子どもたちの元気な声が聞こえてきます。

そんな声を聞きながら、月1回の寺嫁ミッションを行いましたのでご報告いたします!!

毎月巡ってくる、ひそかな「プロデューサー」業務

寺嫁仕事の中には、目立たないけれど、裏で密かに腕を振るう業務があります。

その一つが、「掛け軸のつけかえ」です。

毎月、お寺の中の3か所の掛け軸を季節や行事に合わせて、よくよく考えながら選んでいます。

…というのは建前で、

9割、私の気分

です♪

掛け軸部屋(という名の物置)に収納されている数々の掛け軸の前に立ち、

「うーん、今月のテーマは何にしよっかな~」

「これ、どんな意味なんだろ?(いそいそとスマホ検索!)」

「山田無文(めっちゃ偉大な禅僧。呼び捨てしちゃ絶対ダメ。)シリーズはどうだろう?」

こんな感じで、独り言をぶつぶつ言いながら選んでいます。

掛け軸つけかえ 2026年5月は「竹」シリーズ

ちなみに先月は「竹」しばりにしました!

どの掛け軸もメインの文字は「竹」です。読めんやろー。でも竹です!

付け焼き刃の禅語勉強で出会った【柳緑花紅】

さて、今月、寺嫁センサーにひっかかったのは、【柳緑花紅】という禅語が書かれた掛け軸。

禅語『柳緑花紅』と書かれた掛け軸

実は私にとって、とても思い入れのある言葉なのです。

時を戻すことおよそ20年前。


第1子の産休中に、
「せっかく時間あるし、禅宗の勉強でもしてみよっかな。」と軽い気持ちで、臨済宗(東光寺は臨済宗です!!!)の歴史やら、禅語やらの入門書をパラパラと読むことにしたのです。

そこで出会った禅語が

【柳緑花紅(やなぎはみどり はなはくれない)】

見たまま、そのまま、いずれも真理の現れである。悟りは日常生活そのものの中にある

ということを示した言葉です。

そうだよね。

当たり前のことを、当たり前に受け取る。
柳は無理して紅くなろうとはしないし、花は”緑になれない…”と泣くこともないんだよね。

今までそんな言葉を知らなかった私は、そのとき寺嫁の入り口に立ったのかもしれません。

で、ドアを開けちゃったから今ここにいるんでしょうね~

掛け軸を床の間にかける寺嫁
掛け軸に風鎮をかける寺嫁

祖母の熱血指導。そして、私の大いなる勘違い

掛け軸のつけかえ作業には、もう一つ、私にとって特別な時間があります。それは「掛け軸をしまう時」です。

掛け軸を丸めて箱に納めるのですが、丸めた掛け軸が緩まないように輪ゴムでパチン!と留めればいい。

わけではありません…

細い紐をくるくると巻き付けていくのですが……

掛け軸を丸めて片づける寺嫁

この「最後の紐の始末」が、初見殺しのミッションなのです。

決して紐をくちゃくちゃにしてはいけない。
しかも、次に掛け軸を開く人が、紐の端をピッと引っ張った瞬間、「スルスルルッ!」とまるでイリュージョンのように美しくほどける、あの特殊な結び方でロックをかけなければいけない。

掛け軸の紐をきれいに始末する寺嫁

紐がなるべく痛まないように、紐の結び目が掛け軸に負担をかけないように、さらには、次に開く人のことまで考える。

なんて素晴らしい!!ビバ、日本人!!!

そんな日本人の英知が詰まった紐の扱い方、実は、お寺に来る前から知ってはいたんです。

それはなぜかというと…

実家では、母が季節の変わり目によく掛け軸を替えていました。

そして、私がお寺に嫁ぐと決まったとき、祖母が「お寺に嫁ぐんだから、これくらいできなきゃだめでしょ。」と、いそいそと自室から出てきまして、それはそれは真剣に掛け軸の紐の扱い方を教えてくれたのです。

当時の私は、「えー、覚えられない…」と、内心思いつつ、祖母の真似をなんとなくやったりしていました。

祖母の熱血指導のあと、

「おばあちゃん、なんかすごかったね。
もうすぐ死ぬんかな?」

なんて、母としゃべったことを書いていて思い出しました。

その後10年以上元気だったので、あのときは本当に私のことを想って、教えてくれてたんだな、と今になってわかります…
おばあちゃん、ごめんね。

紐を結ぶたび、月一回会える

結局、ろくに覚えられないまま嫁いできた私ですが、毎月毎月、掛け軸と格闘しているうちに、いつの間にか手が勝手に動くようになりました。

祖母や母には、もう直接会うことはできません。

でも、毎月この掛け軸の紐を結ぶたびに、祖母と母のことを思い出し、実家の和室の雰囲気を感じたりしています。

「やっとできるようになったかね~」と祖母は言っているかもしれません。

「毎月がんばってるね。」と母はみてくれているかもしれません。

たまに、いや、しょっちゅう?、

「もうどれでもいいよー。選べないよー。めんどいよー。」

という日もありますが、また二人に会えると思ってがんばりますね。

ということで、今回は、こんな掛け軸のウラ話をお届けしました!

お寺にお参りに来られた際は、ぜひ「お、今月の寺嫁セレクトはこれか!」と、掛け軸にもチラリと目を向けてみてください。

達筆過ぎて、どの掛け軸も正直なんて書いてあるかわからないものが多いですが、素敵な言葉ばかりなので、興味をもっていただけたら嬉しいです。

「なんて書いてあるんですか?」

と訊かれたら、文字だけはお伝えできると思います。たぶん。
意味はご自分で調べてくださいませ…

それでは、✼••┈┈お寺や仏教のことを身近に感じるためには まずは自分から┈┈••✼がモットーの寺嫁日記でまたお会いしましょう♪

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