
突然ですが、皆様に問題です。デデン!
【問題1】
布薩会(ふさつえ)の中で行う「五体投地(ごたいとうち)」。仏教で最も丁寧なお礼の仕方ですが、この「五体(全身)」とは、体のどの部分を地面につけることでしょうか?
【問題2】
「お経」とはいったい何が書かれているものでしょうか?
【問題3】
坐禅をしている最中、目や顔の向きはどのようにしておくのが正しいでしょうか?
どうですか。パッと答えられましたか?
ちなみに私は、もし抜き打ちで聞かれたら
「えっ、五体? 両手両足と……あと、気合?」とかうっかり言ってしまいそうです。
という冗談はさておき…
正解は「両手・両足・おでこ」です。お経は「人生の教科書」、目の向きは「鼻とおへそがまっすぐになるようにして、1メートルくらい先の床を見る」が正解です!
実はこれ、2026年(令和8年)8月20日に東光寺で開催した「寺子屋体験」で、実際に出題したクイズなんです。
東光寺(静岡市清水区横砂)にて小中学生を対象とした「寺子屋体験」を開催いたしました。
その活動報告を順番に紹介させていただいております。
※これまでの記事
活動報告3 読経 【恥ずかしがる大人を置き去りにして、子供たちは仏様に近づいていく】
活動報告4 布薩(ふさつ) 【「えっ、そんなに頭を下げるの!?」驚きの声から始まった心のお掃除】
活動報告5 食事 【「食器を洗うから、たくあん買ってきて!」の意味】
活動報告6 極楽を作る 【極楽はどこにある? 〜長すぎるお箸と、折り紙の蓮が教えてくれたこと〜】
活動報告7 掃除体験 【雑巾から水が出ただけで、大歓声が上がった日のこと】
はこちらからご覧いただけます。
参加したのは、23名の小中学生たち。
朝の8時30分から17時まで、丸一日お寺で過ごすという、大人でも「・・・疲れた」と声が出そうな修行体験の終盤の出来事でした。

「えっ、お寺でクイズ大会?」って思いますよね。
私も思います。
でも、思いついてしまったのです。
どんなに一生懸命説明しても聞いてもらえないとき、「ここで問題です!」と言うと真剣に話を聞いてもらえることに。
もちろんこれは、単なるレクリエーションや暇つぶしではありません。
坐禅の組み方、食事の作法、布薩会(心の反省会)などなど……今日一日で体験した怒涛の体験を、しっかりと自分のものにするための「真剣な振り返り」なのです。
本堂のモニターに問題をドーンと映し出し、私は子供たちに呼びかけました。
「これまでに学んだことを一つひとつ思い出せば、絶対に、必ず正解できます!」
すると、参加者は
「よし、絶対に当てる!」
「さっき和尚さんが言ってたやつだ!」
朝からの修行体験でヘトヘトになっているはずの子供たちの目が、バッキバキに輝いているではありませんか。
次々と繰り出される、大人でもちょっと首をひねるような仏教の難問。
それでも子供たちは、記憶の糸を全力でたぐり寄せ、真っすぐに答えていきます。

3択問題。これだ!と思う番号を目を閉じて指で出します。自分を信じて!

正解すると畳一枚分進み、壁まで来たらゴールです!
正解が発表されるたびに、静寂であるはずの本堂が
「やったぁぁぁぁぁ!」
という大歓声に包まれました。
そして終わってみれば、結果は、なんと驚異の正解率90%超え。
すごい。すごすぎる。君たち、お寺の特待生か?このままお坊さんになって欲しい。
いやなるべきだ!
もちろん、東光寺の振り返りはこれで終わりません。
クイズ大会で大盛り上がりした後は、静かに「振り返りシート」に向き合う時間です。
実は朝の開会式で、彼らには2つの大切な目標を伝えていました。
1つは「今日一日〇〇をがんばる!」という自分のための目標。
そしてもう1つが、「友達や自分の『良さ』を見つける」という全員での共通目標。



「足が痛かったけど、坐禅を最後まで我慢できた」
「〇〇くんが、折り紙をすごく手伝ってくれて優しかった」
シートに書き込まれた言葉たちを見て、大きく成長した姿を感じます。
彼らはただ頭で知識を丸暗記したわけではありません。
心と体全体で教えをしっかりと受け止め、自分自身の学びと成長へと変えてくれていました。
そして何より、自分がいっぱいいっぱいになりそうな修行体験の中で、周りの子の「素晴らしいところ」に気づける心になっていたのです。
一生懸命に体験へ向き合い、素直な心で受け止める真っすぐな姿勢。そして、自分と他者を認める優しい眼差し。
これからも、この素晴らしい時間を、地域の子供たちとともに大切に紡いでいきたい。
そう心から願っています。



